昨日の学びと今日の学びについて。
PearlとRingのお話。
昨日は、AZClub主宰による、パールのレクチャーに参加(^_−)−☆
『今、真珠が危ない』のテーマでのお勉強会。
テーマ通り、危ないのよね…真珠。
テリが弱いとかマキが薄い品質の良くない珠でも、花珠(華珠)として売られている昨今。
良質ではない海外産などの珠が大量に流通しているのも問題で。
名だたる海外ブランドから【真珠は宝石ではない】と締め出しを受けている。
原因は多々あれど…
*真珠は数少ない有機質の宝石で、唯一養殖して作られる物
*宝石の定義として希少性と耐久性は必須なのに、使用後のお手入れを怠ると経年劣化してしまう宝石
という大前提は致し方かないとしても。
業者と販売員の不勉強プラス日銭稼ぎたい一心によるものが大きいと思う。
何故そうなったか。。。
元(笑)同業者に批判されるの覚悟で書きますが。
なんでもかんでも、キレイで良い物だと言って売るし、元が安価な低質品に高い値段付けて値引き前提に商売するし、終いには片っ端から花珠呼ばわり(笑)。しかもこれで終焉かと思いきや、遂には生珠まで登場しちゃう始末Σ(゚д゚lll)
あのね。
これから真珠を買いたい人の為にアドバイスしときますが…あ、勢いで安いの買っちゃった人は読まない方がイイよ;^_^A
そもそも花珠って、厳密に定義はないの。
業界内で特品(業者が見て上質な珠)をハナと呼んでいただけで、規定値はないけど、真円で無傷で照りが良く巻きの厚い珠をそう呼んでたのが始まりらしいんだけど、どこかの売る事に熱心な輩が販売時に使い出した途端、人気爆発(笑)。
今や鑑別書にまで記載されちゃってるんだら始末が悪い。。。;^_^A
結果…巻の厚さとかは無視して《見た目がそこそこマシな珠》に花珠って名前を大放出\(^o^)/
ちょ、、まっ、、、(笑)。
よく考えてよ~(・・?))
ある訳ないじゃん、特品ばかりが、こんなに一山幾らで売れる程。
しかも異常気象続きで海水温もめちゃめちゃだし、良質品が大量算産出されにくい今日この頃ですよ?
百貨店やら店舗やらは疎か、ネット検索したらどんだけ流通してんだよ、花珠!?
もうね、先生も言ってたけど、花珠って書かれてたらカスだと思えってくらい、残念な結果に(笑)。
名前に騙されちゃダメ。
で、次の手段が生珠て(笑)。
生珠ってね、貝から取り出して下処理(平たく言うと軽い漂白洗浄みたいなもので、シミや汚れを取る…最低でも半年から4〜5年{←コレも問題なんで後述します!}は海の中で生きてる貝の中にあるんだから当然の処置ですよ)はぜす、水洗いしただけで商品価値がある程、キレイな珠の事なんだけど、こんな珠、大量に流通するわけないでしょ?
養殖業界内のコレクターズアイテム位しか、採れないのよ?
おまけに下処理ナシなんて、今の鑑別技術では証明のしようがないの、残念な事に。
しかも、それが連(お葬式とかで着ける珠が繋がってるヤツね)なんかになっちゃって、ネットで売れる程沢山ある訳ないでしょ(笑)。
あぁ、おバカさんなんだからもう。。。
ちなみに真珠にはその後の処置として調色とか処理(染色)があって、わかりやすく言うと調色は基礎化粧で染色は特殊メイク。
ナチュラルカラーというのは下処理以外に何もしていないのが基本。
ナチュラル以外は調色(整えられているということ)されていて、染色となるともうかなり毒々しい色になるのが殆ど。
ナチュラルが欲しい場合は、見分ける方法を知っている販売員から話を聞かないと…これまた騙される(笑)から要注意。
もちろん、アクセサリー感覚で変わった色を楽しみたいなら、安いし染色もおすすめしますよ♪
更には当年モノの薄巻き。
真珠って簡単に言えば、貝のカサブタなのよね。
体内に異物を突っ込まれて痛いから、貝殻の内側と同じ様な分泌物出して、異物が直接触れるのを避ける為の必死の努力な訳で、でも異物は異物なんで体内にある間は身を守る為に分泌物を出し続け身体の中でまわし続けた結果…。
立派な真珠が出来上がる訳です。
残念な事に移植した途端にショック死したり、痛みに耐えられず途中で死んでしまう貝も沢山います。
更にはアコヤ貝は1つの貝で一粒しか真珠を作れません。
生産効率を上げる為に短期間で浜あげをしてしまうから当然巻きが薄い訳で、経年劣化が著しいのは避けられない。
しっかりと巻きの厚い珠を作ろうとしたら、4年も5年も待たなきゃいけないから、当然数も減るから高価になる。
これは宝飾品に限らず、市場の原理ってヤツでしょ。
養殖の技術が確立されるまでの真珠は全て天然で、核は砂粒や海の中の異物で出来ています。
だから小さいし歪なんだけど、本当に希少価値の高い物だったの。
だって正に、偶然の産物なんだから。
安くて良い物なんて、無いのよ。
宝石の中でも真珠は特に、無い。
無理だから( ̄◇ ̄;)こんなにジャラジャラと、ハナだのナマだの…ありえません(笑)(笑)(笑)。
ついでにもう一つ言ってしまえば。
【本真珠】とか和珠に【天然真珠】とか言ってる販売員からは、絶対に買っちゃダメ。
なーんにも知らないから(笑)。
本真珠ってなによ~(・・?))じゃ、偽真珠も置いてるの~(・・?))ってハナシだから。
アコヤ貝から採れる和珠は基本的には全て養殖なので、よっぽどのミラクルが起きてアコヤ貝が6mm以上の真円のゴミでも体内に入れない限り、天然真珠なんてできない。
これを証明するには相当高額な非破壊検査をして、核がドブ貝じゃない(養殖真珠は丸い真珠を作る為に貝を丸く削った核を入れるんですが)って結果が出なきゃ認められないから、どうせ一般消費者には調べられない事につけ込んで御伽噺くっ付けて売ってた老害を見たことあるから…本当に百鬼夜行魑魅魍魎だよ、この業界(笑)。
チラッと検索するだけで、「本真珠と生珠だけ使ってます」とか書いてる不思議ちゃん(自称宝石屋じゃないのがせめてもの救いww)に遭遇できる程、無知の垂れ流しがモノ売ってる時代ですよ、、、トホホ(^◇^;)
低品質の真珠なのに高い買物させられちゃったお客様は10年と経たずに劣化する真珠に、唖然とするんでしょう。
そして、だから宝石なんか!って、養殖真珠なんか宝石じゃないって言われちゃうのよ( ̄Д ̄)ノ
業者が自分達の首を自分達でグイグイ締めてるって訳。
正しい表示がしてある信頼できるお店の、ウソをつかない販売員さんからきちんと説明を聞いて、適正価格で買わないと。
長く使いたい真珠のつもりが中途半端に高いアクセサリーになっちゃうよヽ(;▽;)ノ
そして、どんなに高価な真珠を持っていたとしても、身に着けた後のお手入れを怠ったら劣化します、有機物ですから。
柔らかい布で汗や汚れを拭き取って、他の宝石とは別に保管して下さいね。
そんな訳で。
アコヤ真珠はもちろん南洋珠やマベ、ケシ(1.5ミリ以下)やベビー(2ミリ以上)や淡水など、真珠と言っても種類は沢山あって(ちなみにお馴染みのアサリ、シジミ、アワビ…巻貝も含む多くの貝で真珠は出来ます)選択肢も広いんだけど、業界内の人なら幅広く知らなきゃいけないし、違いがわからなきゃいけない。
それを正しく学んで活かせるかどうか、世界に通用する養殖のアコヤ真珠であるかどうかは、現職の販売員さんにかかっているんだと思う。
で。。。今日はThe Ringsを見に国立西洋美術館へ♪
会期終了目前で、やっとやっと見に行けた( ´ ▽ ` )ノ
橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014ring.html
人類は4000年も前からジュエリーを身に着けていて、今と同じように昔からお守りやステイタスや大切な人への贈り物として使われてきた。
そして…エジプト文明に影響されたデザインは、現在と大差がないという事。
今、店先にある多くの宝石がリヴァイヴァルであるという事。
工具などが進化して量産が可能になったり、より正確なラインが具現化できるようになっただけで、技術的には昔の方が凄かったりもするし。
ダイアのカーヴィングも見れたし、メメント・モリも沢山見れた
いやホント、AZClubに参加して、ジュエリーの歴史を勉強していてよかったわぁ♪
時代背景も歴史も影響を与えた文明も…さらっと見ても意味がわかる!
学んできた事の実物が見れる幸せったらぁぁぁ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
同時に展示されていた絵画や書籍やドレスも現存するその素晴らしさに感動(≧∇≦)
ただ…周りの方々の会話が耳に入ると『・・・!?!?』ってなるので、イヤホンは必須でしたが。
粒金(りゅうきん)をさ、ツブガネってwww
エトルリアってどれ?ってwww
こんなドレス、入らないわよぉ、あははは。じゃなくてさ、その一枚のレース生地を仕上げるのにどれだけの労力がいるかわかるっ??
、、、それで見ていても、全然面白くなかろうが;^_^A
目と耳で知識を得て、理解する事。
出来る事なら手で触って確かめる事。
学び続ける事。
仕事に活きる事なら尚更、それを止めたらお終いなんだよ。
私は幾つになってもそれを、宝石に限らずとも続けられる人でありたい。